"「それは言わない約束」以前は確かに存在していました。ピーナッツもハナ肇に言っていました。「いつもすまないねぇ」というハナ肇に「おとっつあん、それは言わない約束でしょ」と。
これは言うと下品になるというより、言うと相手に却って気を遣わせることになる。だから心の中で「すまないねぇ」と感謝する、ということ。
これも日本文化の美徳でした。
「ニッポン人の忘れもの」 ビートたけし
昔の日本には、 「それは言わない約束」 っていう
世界に自慢できる約束があったよね。
もっと金くれとか、もっとうまいもの食わせろとか思ってても
「それは言わない約束」 っていう文化だ。
ホントに思ってることを口にしたら下品になる。
みんなそう思ってたから、
何も言わなくても言いたいことが分かりあって、それで社会が回るっていう…
でも今は 「言わない約束」 ってのが通じなくなった。
黙ってると損だと思って、みんなが主張する。
欧米化だとか競争社会だとか言ってるうちに、
それを言うのは恥ずかしいことだって、みんな忘れちゃったんだよ。
要は 「恥を知れ」 ってこと。
恥を知らないから、ここまではいいけど、ここからはダメがわからない。
いつか 「恥を知れ」 って言ってやったら、
あんたみたいに恥ずかしい商売してる奴に言われたくないって言い返された。
だから 「それは言わない約束」 だっての!"